耳を千切れば

散文を羅列して置きます。

完璧な計画

夏祭りに向けて
完璧に準備をしてきた。
しかし、
一つだけ用意し忘れた出来なかったモノは
彼女だった


秋の収穫祭に向けて
完璧に準備をしてきた。
しかし、
一つだけ用意し忘れた出来なかったモノは
彼女だった


クリスマスに向けて
完璧に準備をしてきた。
しかし、
一つだけ用意し忘れた出来なかったモノは
彼女だった


そして、
また春が来てしまった。

地獄までお見舞いしてやる

許しておくれ
僕は風邪を引きたくないんだ。
許しておくれ
君を嫌いになった訳じゃない。


少年時代あんなに風邪を引きたかったのに
大人になった僕は、死ぬほど風邪に罹りたくない。


いつからアンチ風邪になったんだろう?


少年時代は
半そで短パン、カモン風邪!
寒空サッカー、カモン風邪!


今では
うがい手洗い、アンチ風邪!
ミカン予防注射、アンチ風邪!



でも、もし
君が、風邪を引いたら
僕は急いでお見舞いに行くよ


ただ、


許しておくれ
キッスは絶対お断り。
許しておくれ
半径2メートル居ないには近づかないよ。
許しておくれ
お粥を作ったら速攻、帰宅するよ。
許しておくれ
咳をする度に眉間にシワを寄せるかも。
許しておくれ
君を嫌いになった訳じゃない。
許しておくれ
僕は風邪を引きたくないんだ。
風邪うつされたら君を呪って自殺してやる。

桜の木の下で死神と

突然、背後に死神が

僕の耳元で囁いた。


「お前の心を頂いてやる!」


死神的な告白で

僕は魂抜き取られ

もう、抜け殻さ。



今日も、背後に死神が

僕の首元めがけて


「この大鎌をお前にくれてやる!」


死神的なサプライズ

僕は魂吸い取られ

もう、抜け殻さ。



春もうららら卒業式

やはり、背後に死神が

何やら頬を赤らめて


「お前が死んだらずっと一緒にいてやる!」


死神的な方法で

僕は彼女を抱き寄せて

もう、抜け殻さ。



あの卒業式の日、死神と

あの桜の木の下で死神と

あの綺麗な髪の死神と

初恋ノート

三年二組の初恋ノート

このノートに男女の名前を記入すると

その二人は恋に落ちるんだってさ


クラスの初恋を操作できる噂のノート

そいつが本日、俺の手元に回ってきたんだ


あのガキ大将と泣き虫のあの娘は調理実習中に

オムライスにケチャップが

絞られる瞬間に恋に落ちるんだ

それは全て、俺の企み事


あのいじめられっ子とあの眼鏡の娘は

掃除の時間に雑巾を絞った瞬間に恋に落としてやる

それも全て、俺が初恋ノートに書いた事実


ああ、このノートがあれば俺は三年二組の神だ

学級会長よりも巨大な権力を有するのだ


皆、初恋に夢中
9歳青春ど真ん中!

そして、
最後にこっそり
俺はノートに書いた

俺とあの娘の名前を

君のいる宇宙を指差して

落ちてきそうにもない星空の


一つの星に指を差す。


向こうの星にも自分と同じく


自分を指差す奴がいる。



僕は夜中にただ一人、お前に人差し指向けて


お前の星では今、夜か?隣に誰もいないだろうな?



お前の横にいるだろう、お前の幼馴染を指差して


「好きです。」なんて言ってみて、一人頬を赤らめる。



何してんだろ、ちっぽけな僕


そっちの星は楽しいか?



妄想の向こうの星にいる


お前の幼馴染に思いをよせて


その娘の笑顔を糧にして


僕は寂しく泣いた夜

蒸発しちまれっ、この水分野郎っ!

あたしの彼は物理的ダメージは負わない

多分魔法攻撃なら効くんだろうけど、
あたしは魔法は使えない。

だから、あたしは言ってやるんだ、
キツイ一言ぶつけてやるんだ、
あの水分野郎の精神に
大ダメージを負わせやるんだ


蒸発しちまれ
この水分野郎っ!



あたしの彼は渓流の様に、いつも他人に流される

あんな特殊な肉体なのに

今、友達とキャンプファイヤーをしているなんて

命懸けで遊ばないでよっ、花火の消火に使われるだけなんだからっ。

いつもあたしを心配させる
だいっ嫌いだよ、水分野郎!
だからあたしは言ってやるんだ


蒸発しちまれ
この水分野郎っ!


あたしが涙を流していると
キミには笑っていて欲しいなんて言って、
あたしの涙を拭ってくれるんだけど、

逆に顔がびちゃびちゃになるのよっ
触らないでよっ水分野郎


蒸発しちまれ
この水分野郎っ!

僕の片思いが目を開けて寝ている

授業中、机にうつ伏せ、オネムの君の

後ろ姿を見ていた僕は

本日、遂に、偉大な発見をしてしまった


「君は目を開けながら眠る!!!」


何を見てるの?何が見えるの?

うつ伏せになって、ヨダレ垂らして

そして君は目を開けて、どんな夢を見るんだい?

地球の歴史の朗読なんて、君にとっては子守唄


目を開けて眠る君の横顔は

君に恋する僕が見たって不気味だ!


そのうち痙攣し始めた君は

さながらあの世と交信中

三途の川で祖父と懐かしご対面?

寝言で叫ぶ!「じいちゃんっ、もっとお金頂戴!!」


僕を毎晩、寝不足にさせる

愛しの君が目を開けて眠る