耳を千切れば

散文を羅列して置きます。

蓮華の上で母は泣く

魅惑疑惑の雛人形

その頂点に君臨せしはあの夫婦

小枝の様な口元に鬼才の様な笑み零し

眼力いかほど?呪うほど?

十二単に杓かざし、蓮華の雛壇飛び回る

首を欲せよ、血を浴びよ

現世がどれほど憎いのか

魅惑疑惑の夫婦雛

子が欲しいのか生贄はいらぬか

蓮華の雛壇飛び回り

夜霧、辻斬り、母体を襲う

その怨念、染みた出刃包丁、怨霊、飛び交う鞘が無いのだから

紅蓮の炎を吹く妻に

生首乗せた揺り籠を

あやしてみたい

抱いてみたい

怨念包丁、今夜も光る