憎むなら僕を、包むなら彼を
肉まんは割って食べましょうって先生に言われてさ
昨日、お見事割ってみたんだ、コンビニでさ
そしたら居たんだ、肉まん太郎
ギュッと眼をつむってさ、血滲むほどに奥歯食いしばってさ
肉まん太郎はそんな表情してさ
今、起きるはずだった現実を
熱く静かに受け入れようとしてたんだって語ったのさ
何が起きようとしてたんだよって僕は聞いたのさ
そしたら、言うんだ肉まん太郎は
だったら見なよ、現実を。って、隣を指差し言ったのさ
隣じゃ見知らぬおじ様が肉まんほうばるとこだったのさ
肉汁が垂れた、ほふほふ、むしゃむしゃ、ジューシーだな、この肉まん、ほふほふ
なんて言って食べたのさ
ジューシーな肉体から出血した肉汁をみて
肉まん太郎は泣いたのさ
肉まん太郎は泣いたのさ
涙は見せずに男の背中で
肉まん太郎は泣いたのさ
先生は言ったのさ
肉まんは割って食べましょうってさ
でも先生、
割ったらもう、食べられないや、先生